しぇりークラブの和泉ももこさんは、シェリー酒への想いをこう語ります。
そもそも松之山温泉とシェリー酒の出会いは、2018年の大地の芸術祭にさかのぼります。アート作品として松之山に「ブラックシンボル」がやってきたことが始まりでした。実は、ブラックシンボルと名づけられた黒い雄牛のモニュメントはスペインのシェリー酒ブランド「オズボーン」のシンボルマークでもあります。シンボルをかたどったモニュメントは、スペインではビルボードにもなっていて、いたるところでその姿に出会うことができます。
スペインではシェリー酒のシンボルとして親しまれている雄牛のモニュメント。そのひとつが、なぜか松之山温泉にもある。ちなみにスペイン国外でブラックシンボルがあるのは、メキシコとコペンハーゲン、そして日本の松之山だけだそうです。不思議な縁を感じます。そんな背景を知ると、松之山の黒い雄牛も、遠く離れたスペインにつながっているような気がしてきます。ブラックシンボルは、いわばスペインで愛されるシェリー酒と松之山温泉をつなぐ「窓」でもあるといえるでしょう。
ブラックシンボルがつないでくれたシェリー酒との縁。とはいえ、シェリーは、まだあまりなじみがないかもしれません。その魅力ってどんなところにあるのでしょうか?しぇりークラブの和泉さんに聞きました。
「飲むと元気になるんです。飲んでいて泣き上戸になったりとか悲しくなったりとかは、まったくないですね。飲めば飲むほど陽気になって、気持ちも晴れやかになります。具合悪いときもちょっと飲むと元気になるので、ほんと妙薬ですね、シェリーは」。
スペインのアンダルシア地方で生まれたシェリー酒は、酒精強化ワインと呼ばれるものの一種。発酵が終わった白ワインにブドウ由来のブランデーを加えたもの。シェリーの度数は15~22%と幅がある。
「患者用のワイン」「老人のミルク」と呼ばれたり、「体のためには毎日シェリー酒を飲め。具合が悪いときにはいつもの倍のシェリー酒を飲め」という格言もあるほど。
湯治BARでは、スペインを代表する「オズボーン」のシェリーを取り揃えていますので、松之山温泉にお越しになった際は、ぜひお楽しみください。
2021年11月には、松之山温泉でインターナショナルシェリーウイークを開催。イベントの一環として「シェリー酒講座in松之山2021」も行われました。インターナショナルシェリーウイークは、世界中でシェリーを飲もう!というイベント。参加国は40ヵ国におよび、世界各地で7000件ものイベントが同時開催されます。SHERRY WEEK IN 松之山温泉はスペインを代表するシェリー酒ブランド「オズボーン社」とオンラインでつないで行われました。
「ブラックシンボルのある松之山温泉でシェリーウイークをやりたい」。そう思ったしぇりークラブ和泉さん自らが、松之山温泉に声をかけてくれたことで、この世界的なイベントが実現しました。「この松之山温泉のことも、もしブラックシンボルがここになかったら、来たことないかもしれなかったので。オズボーンのシェリーが縁をつないでくれたんだなと」。